パニック障害の薬物治療と脳機能画像(PET)検査

−あなたのパニック障害を脳画像診断で見たくないですか?

 

 従来、パニック障害では、検査をしても異常が見つからないとされてきましたが、われわれの研究グループでは、PETスキャンという脳画像診断法を用いて、未治療・安静時のパニック障害患者の脳において、「恐怖や不安の学習」に関連した部位(扁桃体、海馬、脳幹、小脳など)の活動が亢進していることを、世界に先駆けて明らかにしました。下の図で黄色く光っているのがその部位です。この研究によって、パニック障害が心の病気と言うよりも脳の病気であるという考え方の裏づけを得ることができたと考えています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 そこで、次に明らかにすべきは、治療によってこれらの脳部位の活動が正常化するかどうかを示すことです。適切な薬物療法によって、脳内の異常が正常化することが示されれば、素晴らしいことであると考えています。

 そのために、今回、2ヶ月の薬物療法の前後で、上記の脳内各部位の活動がどう変化するかを検討する研究を計画いたしました。ご協力いただいた方には、PETによる脳画像をお見せできますし(今回、解析法を工夫することで、一例毎の活動亢進部位を表示できるようになりました)、研究期間終了後の治療に関しても、責任を持って対応させていただきます。また、研究に参加されている期間のご負担を少しでも軽くするために謝金のお支払いもご用意しております。

 この研究は、厚生労働科学研究費補助金こころの健康科学研究事業「パニック障害の治療法の最適化と治療ガイドラインの作成に関する研究(班長:熊野宏昭)」の一環として計画され、赤坂クリニック、国立精神神経センター武蔵病院放射線部、東京大学心療内科の共同研究として実施しています。

 詳しくは、赤坂クリニック 熊野宏昭 <panic_pet@yahoo.co.jp> までご連絡下さい。一人でも多くの患者様のご参加をお待ちしています。