早稲田大学人間科学部で「心身医学」の講義を受講された皆さんへ
遅くなりましたが、皆さんからの質問に対する回答を載せておきます。
とても真摯な質問が多く私も勉強になりましたが、なかなか十分な回答にはならなかったかもしれません。
診断・評価、ストレス、心身症・生活習慣病、うつ病・パニック障害、トラウマ・PTSD、脳機能との関わり、リラクセーション法、認知行動療法、思考や言語の働き・マインドフルネス、職域関連、の項目毎に、皆さんからの質問をリストアップした後に、回答をまとめて書いてあります。
これを機会にして、皆さん自身でさらに学習を深めていただければ嬉しく思います。そして、さらに何か聞きたいことがあれば、遠慮せずにご連絡下さい。
診断・評価
・パーソナリティの統計学的な分類はどの程度信頼できるのか。
・機能面から人間を捉える場合、得られた情報を数値化したものの異常・正常の境界はどう決める?
・本人は辛いのに診断されなかったらどうしたらよいのか。
・精神疾患の薬物療法において、その効き具合はどうやって知るのか(患者に聞くだけか)?
身体的な評価法であれ、行動科学的な評価法であれ、その異常・正常は健常者集団でのデータを基準にして判断されることが一般的です。つまり、最初になるべく多数の健常者でデータを収集しておき、その平均点や得点のばらつきを基準にした場合に、どの程度偏っているかによって評価することになります。違いは、行動科学的な評価法では、測定の対象が構成概念(実際に存在する物ではなく、様々な事象を説明するために構成された概念)であることが多く、その分、データのばらつきが大きくなったり、正常・異常の意味づけが曖昧になることがあるということです。
病気かどうかの診断、精神疾患の治療の進展具合の評価には、自覚症状だけではなく、本人が必ずしも自覚していない他覚所見(周囲の人による観察、様々な質問紙、作業効率を見る課題、診察場面での行動観察など)も用いて進めていきます。
ストレス
・これから社会はもっと複雑になり、環境も変わる。新たな心の病気も起こるのか。
・コレステロール値が高い人に過度に食事の制限をすることはストレスになるか。
・臨床の現場では、自然治癒による問題の解決は多いのか。
人間の適応能力は非常に高いので、社会の複雑化や環境の変化にもある程度までは適応して、能力を高めていくものと思われます(例えば、オリンピックでの成績が毎回伸びているように)。また、医学の進歩に伴って、以前であれば治療できなかった身体疾患・精神疾患も治療できるようになってきているのは間違いありません。
しかし、人間の心理行動面に関する研究は、身体面に比べると遅れていることは否めず、これから予想される社会や環境の大きな変化に適応するためには、心理学、精神医学、心身医学といった分野の十分な発展が大きな課題になると考えられます。身体疾患の予防や治療のための専門化・細分化した方法を用いることで、新たなストレスを抱え込まないようにすることも、その課題の中に含まれるでしょう。
ストレスと疾病との関係は、ストレッサーの強さ、個人のストレス耐性の強さ、ストレス反応のストレス発散効果などによって異なってきます。したがって、一旦病気を発症した後に自然治癒が認められるのは、ストレス状況が緩和したか、ストレス耐性が高まったかなど、何らかの理由がある場合であると思われます。ただし、明らかな病気が発症していなければ、少なくとも身体面にはホメオスタシス維持機能が備わっていますので、「自然治癒」はむしろ普通に認められる現象であるとも言えるでしょう。
心身症・生活習慣病
・国や民族の違いによって、心身症のかかりやすやさ種類に違いがあるか。
・心身症である身体疾患と、そうでない身体疾患の境界線は何?
・身体疾患に心理社会的因子が関係していると気づかない場合には、治療が長引くこともあるのか。
・生活習慣病の中に肥満があるのか。
・肥満の人は一度思ったことを切り替えるのが難しいとのこと、それを変えるために効果的な方法は?
心身症とは身体疾患ですが、身体疾患には国や民族によって多い少ないがあることが知られています。例えば、胃がんは日本人に多く、前立腺がんは欧米人に多いなどです。それから、広義の心身症に含められる摂食障害でも、欧米、アジア、中東などで、前面に立つ症状が異なってくることが知られていますが、これには文化の影響があると思われます。
心身症と判断するためには、身体疾患の発症や経過と心理社会的(ストレス)要因の間の関連が示される必要がありますが、その判断のための信頼できる絶対的基準はありません。したがって、患者、周囲の人、医師のいずれもがそのような視点を持たなければ、適切な治療が遅れて必要以上にこじれてしまうことが当然起こってきます。
肥満には体質と生活習慣が関わっているため、全てを生活習慣病に含めることはできませんが、肥満症と呼ばれる高度の肥満では、少なからず食事や運動の問題が認められ、代表的な生活習慣病と考えられることが多くなります。また、一度思ったことを切り替えるのが難しいという特徴は神経心理学的な問題なので、認知トレーニングによって改善できる可能性がありますが、介入効果を示すための本格的な研究の実施はこれからです。
うつ病・パニック障害
・うつ病の患者さんがうまく会話できずに、原因が全く特定できない場合は、どうすればよいか。
・心身症の中にうつ病が含まれない理由は?
・どうして女性の方が、うつ病、パニック障害などにかかりやすいのか。
・パニック障害が脳の病気だとすると、誰でもなりうるものなのか。
・不安障害、恐怖症などが併発することはあるか。
・うつ病や不安障害の薬物療法の副作用はないのか?
・うつ病が100%回復するというのはどういう状態になることを意味するのか。
・精神疾患になったら、もう元には戻れないということがあるのか。
・うつ病の人に「がんばれ」というのは本当にいけないか。
・うつ病に対して、薬を使わず認知行動療法のみで治療することはできないのか。
うつ病の中でも一番頻度の高い大うつ病やパニック障害は、基本的に脳の機能性疾患であると考えられていますが、脳の機能性疾患は精神疾患に位置づけられ、身体疾患とは呼ばれません。したがって、心身症と同じようにその発症や経過にストレス要因のかかわりが認められたとしても、身体疾患であることが前提の心身症には含められないわけです。大うつ病、パニック障害が女性に多いのは、基本的に脳の機能の特徴が男女で異なることが大きく関連していると考えられています。脳の病気であるからと言って誰でも罹るものでないことは、高血圧や糖尿病などの身体の病気に誰でも罹るわけではないことと同様です。その一方で、不安障害や大うつ病などの複数の脳の機能性疾患が併発することはめずらしくありません。
薬物療法には、当然副作用はありますが、近年は副作用の少ないSSRIやSNRIといった新しい抗うつ剤も広く用いられており、効果と副作用のバランスを考慮しながら用いられています。大うつ病は、精神面の慢性疲労が脳内伝達物質の機能異常を引き起こして起こってくることが多いと考えられているため、通常は適切な薬物療法と精神面の休養によって十分な改善や治癒が期待できます。その際、典型的な大うつ病であれば、場合によっては5年以上かかっても、100%回復し元の生活レベルに戻れることもめずらしくないようです。しかし、もちろん例外も少なくはなく、反復性の大うつ病、慢性の大うつ病、慢性のパニック障害などでは、発病前の機能レベルには戻らないことも少なくありません。
心理面からのサポートに関しては、典型的な大うつ病では、「頑張って何とかしないとと思うがそれができずに、自分を責めたり罪悪感を感じる」のが病気の主要な症状の一つなので、周囲から「がんばれ」ということには注意が必要です。ただ、気分の波が大きい「非定型うつ病」に関しては、ある程度改善したら早めに社会復帰を勧めるなど、ある程度「がんばる」ことが必要になるという特徴があります。大うつ病を認知行動療法のみで治療することは可能ですが、日本では医療機関における心理スタッフの不足などからなかなか十分な治療体制が組めないことが多く、薬物療法の有効性が高いことと合わせて、ほとんど実施されていないと思われます。
トラウマ・PTSD
・トラウマの定義は?
・アダルトチルドレンはPTSDか。
・トラウマを克服するためにできるセルフケアは?
・EMDRとは?
トラウマの定義は、強烈な苦痛をもたらす体験をした後、フラッシュバックや悪夢などの「再体験」、関連の場所や話題を避けるなどの「回避」、不眠症やいつもビクビクしているなどの「覚醒亢進」の症状が認められるということから判断するのが一般的です。そして、PTSDと診断するためには、強烈な体験として、自分または他人の身体の保全に迫る危険を体験、目撃、直面することが必要になります。アダルトチルドレンと呼ばれる病態が、PTSDと診断されるかどうかは、以上の基準に合致するかどうかで判断されますので、ケースバイケースになると思われます。
トラウマに特異的に効果を発揮する治療としてEMDR=「眼球運動による脱感作と再処理法」という治療法がありますが、その詳細については、日本EMDR学会のホームページをご参照下さい。トラウマを克服するために出来るセルフケアの方法はなかなかありませんが、比較的経度なものであれば、リラクセーションやマインドフルネスの実践にも効果があるだろうと思われます。
脳機能との関わり
・「心」や「感情」は単なる脳の機械的な働きなのか。
・こころの病気は、いずれすべて脳の病気になってしまうのか。
・転換性障害などの「心因性」疾患は、なぜ脳へのアプローチが有効ではないのか。
・心の変化によって脳の機能性疾患が改善した場合、その効果は続くのか。
・プラセボ効果で本当に治ったと言えるのか。
心をどう定義するかは大きな問題ですが、ここでは人間の心理行動面の全体を含むものとしてお答えします。
行動とは、環境との相互作用を前提として初めて成り立つ概念ですので、その特徴が全て脳に還元できるとは考えにくいと思います。同様に、こころの病気の中には行動の病気と理解できるものがあると思われますので、全てが脳の病気として説明されることは考えにくく、したがって、脳へのアプローチが有効でない病気もあることでしょう。
しかし、認知行動面への系統的な働きかけが、脳の機能や構造にまで変化を引き起こすことを考えると、上記のように、脳は個体内の問題、行動は環境との相互作用を含む問題と単純に割り切って考えられないことになります。この脳の可塑性の問題は、今後ますます大きな関心を呼ぶ領域だと思われますが、その過程で、プラセボによってどのような機能的変化が引き起こされそれがどの程度継続するのかといった問題も解明されていくことでしょう。
リラクセーション法
・自己統制法以外のリラクセーション法は?
・リラクセーション法を一度やっても効果が感じられない時、毎日繰り返せばよいか。
・リラクセーション法はどのような時に使うと効果的なのか。
・リラクセーション中に雑念が入り自分を客観視してしまうが、効果はない?
・身体の病気である糖尿病に、リラクセーションは実際に効果があるのか。
リラクセーション法には、自律訓練法や腹式呼吸など様々なものがありますが、面白いところでは、耳にふわっとした少量のコットンなどを入れるだけの「耳ウォーミング」という方法があります。おそらく、外耳道の自律神経末端やツボを刺激することで効果を発揮するものと思われますが、コットンを入れて10分くらいで指先の温度が3〜4度程度高くなったという報告もあります。
リラクセーションは、1回の実習で効果が感じられるかどうかよりも、続けて実習するかどうかによって本来期待している効果(長期的効果=「リラックス貯金」)が得られるかどうかが決まってきます。また、催眠法ではありませんので、その状態にのめりこむ必要はなく、自分を客観視することに問題はありません。雑念が出てきた時は、「今雑念が出てきた」と客観的に眺めて、それを考え続けるのを止めて練習に戻るようにするのが、適切な方法です。
リラクセーションの効果は、まず大脳に現れ、それが感情面や認知面の効果を引き起こすとともに、生体機能調節系(自律神経・内分泌・免疫系)に波及していくと考えられます。脳も生体機能調節系も身体の一部ですので、糖尿病を含む身体疾患に効果があっても全く不思議ではないわけです。
認知行動療法
・エクスポージャを成功させるための条件は?
・高所恐怖で、恐怖の度合いをグラフ化するのと、怖がっている自分を客観視することに違いはあるか。
・エクスポージャ中、身体感覚に注意を向けるのは気ぞらしとどう違うか。
・高所恐怖のエクスポージャ治療では、5〜10分で必ずパニックが落ち着くのか。
・エクスポージャ法が回復に逆効果をもたらすことはないか。
・エクスポージャ中に、クライエントが早く終わらせたくてわざと不安を低く報告したらどうするか。
・勉強中に眠くなったときに、高所恐怖症のようにグラフを書くことで対応できるか。
・自分の食行動がコントロールできない摂食障害を、どのように認知行動療法で治療するのか。
・自らが自らに対して認知行動療法を行うことはできるのか。
・治療の途中から、薬物療法から認知行動療法に切り替えることもあるのか。
・携帯情報端末を持ち歩いて広場恐怖の治療をした場合、「ライナスの毛布現象」は起きない?
エクスポージャを成功させるための条件は、そこでの心身の変化を十分に体験しつつ、同時にその状態を客観的に観察することです。授業中ではそのことを「心を閉じない、呑み込まれない」と表現しましたし、アクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)では、それぞれが、アクセプタンスと認知的脱フュージョンと呼ばれています。また、恐怖の度合いをグラフ化するという方法も、上記の「十分に体験しつつ、客観的に観察する」という両者を実現するための工夫です。そして、エクスポージャ中に身体感覚に注意を向けるのは、強烈な恐怖などの感情に呑み込まれないようにするための工夫ですが、これが、一生懸命メールを打ったりして気ぞらしをするのとどう違うかと言うと、前者では身体の一部に注意の錨を下ろして心身の変化を十分に体験することができるのに対して、後者では心を閉じてしまう結果になることが多いという点です。
エクスポージャ治療に必要な時間は、恐怖症状の内容や程度によってケースバイケースですが、15分以上同じ状況に止まることが必要であったという報告もあります。心身の変化を十分に体験できる前に中断して逃げてしまうと、そこでホッとして、回避条件付け(回避の結果、嫌子の出現が阻止されることで強化される)の形成につながることで、今までよりもなお症状が増悪してしまうことになりますので、注意が必要です。したがって、もしうまく行かなかったとしても、そこであきらめないでもう少し簡単な課題に切り替えて、成功体験が出来るようにすることが大切です。
眠気は恐怖と異なり必ずしも不快感情ではありませんので、エクスポージャすることには意味がありません。しかし、自らの心身の状態を観察することはマインドフルネスに通じる心的作業であり、その結果、眠気が強くなったり弱くなったりすることに気づけるでしょうし、場合によっては眠気が醒めることもあると思います。
自らがコントロール出来ない行動パターン、思考パターンをセルフコントロールできるように援助するのが、認知行動療法ですので、摂食障害にももちろん適用できます。また、その原理と手順(行動分析など)を学べば、自分の様々な課題に対して適用することもできます。
薬物療法と認知行動療法を併用すると、薬物療法で症状が改善してしまいセルフコントロールを必要とするターゲット行動がはっきりしなくなるので、認知行動療法の治療効果が十分に出ないことも多いようですが、薬物療法を止めていく時には逆に認知行動療法を導入するよい機会になります。携帯情報端末を持ち歩いてオンサイト認知行動療法を行うと、一時的には情報端末がとても大事なパートナーのようになるようですが、人間の学習能力は大変柔軟なので、一旦必要な行動のコツが身につくと、心の中にその働き(機能)を内在化していくことが可能になるようです。
思考や言語の働き・マインドフルネス
・関係フレーム反応とは何か。
・なぜ、人間には心身の健康を(意識的に)回復するための本能が無いのだろうか。
・心的要因が行動として外に出るのは、それ以上傷つくことを人間の本能が避けているからなのか。
・ルール支配行動とは、不安の高い人に生じやすいものなのか。
・容姿などに関するコンプレックスはどれほど行動に影響を及ぼすのか。
・運動部の活動で、ミスを続けたり、ミスを引きずったり、好不調の波が激しいことへの対策は?
人間は言葉(様々な事物を結び付ける能力=関係フレーム反応)を使うようになって、動物にはないバーチャルな世界を作り上げる力を手に入れ、文明社会を築き上げました。しかし、そのバーチャルな世界を作り上げる言葉の力は将に諸刃の剣で、それが自分自身に向かってしまった場合には、ありもしないネガティブな評価を現実として感じるようになってしまったのです(認知的フュージョン)。つまり、動物と同様に人間にも身体の健康を回復する本能はあるのですが、心の健康は常に脅かされるような仕組みになっていると考えてよいでしょう。そうなると、ネガティブな自己像やそれに結びつく思考が、他の様々な刺激との結びつきで容易に引き起こされてしまうため、それによって傷つくのを避けるために、自らの思考や感情を感じないように様々な努力(体験の回避)をするようになっているわけです。
ルール支配行動とは、言語がバーチャルな世界を作り出す力を利用して自分の行動を制御することであり、動物と共通する体験を通した学習(随伴性形成行動)が必要ないという点で、大変効率のよいものです。しかし、これも諸刃の剣であり、ルールは言語で表現されるものであるため、上に説明したように、単なる思考としてよりも現実と感じられてしまい修正が非常に難しくなります。したがって、もしそのルールの内容が間違ったものである結果不適応を起こしている時には(不安やうつが強い場合など)、それがなかなか修正されず、不適応から抜け出しにくくなることで問題が大きくなるのです。また、質問にある何らかの「コンプレックス」が行動に及ぼす影響というのも、不適応を起こしたルール支配行動の例と考えることができるしょうし、運動部の活動でミスを続けたり引きずったりというのも、一旦作ってしまった誤ったルールが行動の制御に影響を与えていると考えることもできるでしょう。
以上の言語が作り上げるバーチャルな世界から抜け出すためには、目の前の現実をそのまま体験しようとするマインドフルネスの実践や、それを認知行動療法の文脈に組み込んだACTを活用することが役に立つと考えています。
職域関連
・人間を情報体として捉える分野として、心身医学と心理学の大きな違いは何か?
・ストレス社会の現在、心療内科医の数は足りているのか。
・病院における精神科医、心療内科医、臨床心理士のそれぞれの役割は?
・心身医学に関わる職業につくためには、大学でどのような学習をしていけばよいか。
心身医学は、医学・医療の領域に臨床心理学を大胆に導入して発展した分野であると言えるので、人間を情報体として捉えるという意味では、心理学との間に大きな違いはないと思われます。ただ、心身医学は医学の一分野として、身体面をかなり重視するという意味で、心理学と力点の置き方の違いはあるでしょう。
現代社会のストレスに対応するために、現在の心療内科医の数ではとても足りません。それは、精神疾患の研究や診療に携わる精神科医においても同様で、どちらの科においても、特に、ゆっくりと時間をかけて面接治療を進めることは、事実上できない状況と言えるでしょう。その現状を打破するためには、看護師、ケースワーカー、ソーシャルワーカーなどとともに、心理士が病院臨床にもっともっと参加するようになることが不可欠であると考えています。したがって、心身医学のみに関わるというよりも、病院臨床に関わるために、何を学習していけばよいかと考えていって欲しいと思いますが、一言で言えば、心理学の諸分野とともに医学や医療に関わる学習を広く進めていただきたいと思います。